SPRING/BREAK Art Show: Yuka Nishihisamatsu

75 Varick St, New York, NY 10013, United States

May 6 - 12,2025

Artists

西久松友花

EunoiaはSPRING/BREAK Art Show New York 2025にて、京都を拠点に活動する西久松友花を紹介します。初のアメリカでの展示となる本展は 75 Varick Street, Hudson Square にて、 5 月 8 日から 12 日までの開催となります（VIP、プレスツアーは 6 日、 7 日両日）。

SPRING/BREAK Art Show: Yuka Nishihisamatsu

Featured Works

極楽＝GOKURAKU （Sukhavati ・スカーヴァティー「至福の地」）は、仏教の一派である大乗仏教において、阿弥陀仏が住むとされる浄土（仏国土）のことを指します。東アジアで広く信仰される浄土教の影響もあり、極楽浄土は最もよく知られている浄土のひとつです。仏教における「極楽」という言葉は、まさに理想郷を意味します。古い仏典（経典）には次のように記されています。「この爽やかで快適な場所では、暑くも寒くもない風が優しく吹く。美しい迦陵頻伽（かりょうびんが）という神鳥の美しいさえずりが響き渡り、大地は金色の砂で覆われている。様々な樹木は七種の宝でできており、その葉は黄金よりも輝かしい。さらに、完全な正方形の蓮池があり、食べ物も豊富にある。」まるで理想の楽園のようですが、ひとつの条件があります。そこでは、食事を取るために一メートルもの長さの箸が使われているのです。実はこの特徴は、地獄（JIGOKU）と共通しています。しかし、極楽と地獄の決定的な違いは、その箸を正しく使えるかどうかにあります。長い箸を普通の箸のように使おうとすると、自分の口に食べ物を運ぶことができず、地獄では飢えに苦しむことになります。しかし、極楽に住む者たちは、その長い箸を使って他者に食べ物を与え、互いに助け合って生きているのです。
西久松友花は京都を拠点に活動するアーティストで、仏教思想から深く影響を受けた作品を制作しています。彼女は、蓮の葉のような仏教的なモチーフを取り入れ、再構築した作品を数多く発表しています。蓮の葉は純粋や再生の象徴でもあります。彼女は、両親がともにアーティストという環境で育ちました。特に、京都の霧深い山間の町・亀岡で、幼い頃から両親に連れられて屋外スケッチに出かけたことが、彼女の創作の原点になっています。父は風景画を描き、母は輪廻をテーマにした作品を制作しており、彼女の作品に深く根付く生と死の世界観はこの経験から培われました。近年の作品では、川に生息する微小な生物や、土の中で羽化を待つ繭など、生き物の生息地や生命の営みに焦点を当てています。彼女の作品から感じ取るものは、果たして極楽なのでしょうか？それとも別の何かでしょうか？この混沌とした世界で、私たちはその長い箸を正しく使うことができるでしょうか？西久松友花は、自らの創作を通じて、その問いに向き合い続けています。

会期： 5月6日 - 12日, 2025年
会場： 75 Varick Street, NYC
コレクターファーストルック + プレスプレビュー： 5月6日, 正午から17:00時まで
VIPオープニングナイト： 5月6日, 17:00時から20:00時まで
VIPプレビュー： 5月7日, 正午から19:00時まで
一般会期： 5月8日 - 12日, 正午から19:00時まで